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一般事業主行動計画って?
一般事業主行動計画とは、次世代育成支援対策推進法(以下「次世代法」)または女性活躍推進法に基づき、従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備、女性労働者の活躍推進などに取り組むに当たっての(1)計画期間(2)目標(3)目標達成のための対策及びその実施時期を定めるものです。一定要件を満たした事業主は厚生労働大臣の認定を受けることで”くるみん“や”えるぼし”等の認定マークを取得し、自社商品や広告等に表記することができます。
すべての事業主が一般事業主行動計画の策定・届出・公表・周知をすることができますが、次世代法では常時雇用する労働者数が101人以上、女性活躍推進法では常時雇用する労働者が301人以上の事業主に対して策定・届出・公表・周知が義務付けられています。(令和4年4月1日以降は、女性活躍推進法においても、常時雇用する労働者が101人以上の事業主に対して義務付けられる予定です。)
策定の流れとポイント
STEP1:自社の現状と課題及び従業員のニーズの把握
行動計画が企業の実情に即したものになるためには、現状と課題の把握が何よりも大切です。課題は業種や職種・企業風土等によって大きく異なります。過去数年をさかのぼり、『子育て中の従業員が何人いるか』『妊娠出産を機に退職を選択する社員が何人いたか』『男女の採用比率はどのようになっているか』『管理職に占める女性の割合はどの程度か』等の調査分析を行い、自社の課題を洗い出しましょう。
現状と課題の把握が出来たら、従業員のニーズの把握を行いましょう。従業員が何を望んでいるのかを把握することで、ニーズに沿った行動計画の策定が行えます。従業員自身にも主体的に取り組みを実施してもらうためにも、ニーズの把握が重要となってきます。
STEP2:行動計画の策定
行動計画の策定で大事なのは、無理に高い目標を立てない事です。あまりに高い目標を立てることは、行動計画の取り組みを行う際の負担となってしまいます。
認定を受けるためには一定の要件を満たすことが必要にはなってきますが、まずは自社の環境をよりよいものにするという部分にフォーカスし、”今はまだできていないけど、これならばできるであろう”という行動計画を策定していきましょう。
STEP3:社内周知及び行動計画の公表
行動計画策定後、おおむね3か月以内には行動計画の社内周知・公表を行いましょう。
社内周知方法に決まりはありません。事業所内への備え付けや社内イントラネットへの掲示・従業員への行動計画配布や電子メール送信など、自社にあった方法で周知を行いましょう。
行動計画の公表は、自社ホームページへの掲載などが一般的です。より多くの人に自社の取り組みを見てもらうという点でいえば、自社ホームページへの掲載に加え、厚生労働省が運営するウェブサイト(※1)に掲載することが効果的です。インターネットが使用できない企業の場合は、事業所に備え付けを行う等で、求めに応じていつでも公表できるようにしておきましょう。
STEP4:行動計画の届出
管轄の都道府県労働局に策定した行動計画を届け出ましょう。
【届出方法】持参・郵送・電子申請
STEP5:行動計画の実施と効果測定
行動計画を実施し、目標を達成するために取り組みましょう。
ただ取り組むだけではなく、達成状況を定期的に確認する機会を設けることが大切です。改善されているか、改善されない場合にはどうしたら改善されるかを考えて必要に応じて取り組みの軌道修正をしていきましょう。
まとめ
一般事業主行動計画の策定・実行は、社内全体でのプロジェクトといえます。
目標に向かって従業員とともに行動計画に取り組むことで、社内の団結力が高まります。目標を達成することで社内環境はより良くなり、社内環境が良くなることは従業員の生産性の向上にもつながります。また、このような取り組みをしていることは、採用活動の上でもひとつのアピールポイントとなるでしょう。
一般事業主行動計画の策定・実行にむけて、まずは現状の把握と分析から始めてみませんか?
※1 下記サイトでデータの登録・公表が可能
両立支援のひろば:
女性の活躍推進企業データベース:
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/index_kigyou.html